Kyoto Brewing Co. - Wholesale
ソカリオン (Sokarion)
ホップの香り成分を解放した、ジューシーでトロピカル感あふれるヘイジーIPA
このラボ「変革」は、そうした最先端技術から生まれた香り高いホップを駆使し、IPAの常識を打ち破る、まだ誰も体験したことのないビールを生み出す実験室。そして2025年、最新のIPA像を体現する4つのプロジェクト──「アリオン」「ヲリオン」「ハベリオン」「ソカリオン」──を発表します。
このヘイジーダブルIPAは、ジューシーでほどよくボディ感が感じられ、トロピカルなアロマが弾けるように広がり、高めの度数にもかかわらず驚くほど飲みやすい仕上がりです。グアバ、オレンジ、パッションフルーツ、マンゴー、パパイヤといった南国系果実のパンチある香りが特徴です。
モルトは、ベースにゴールデンプロミス、そして全体の30%をフレークか麦芽化した小麦で構成。さらに少量のウィーンモルトを加えています。一見このウィーンモルトはこのスタイルにそぐわないように思うかもしれませんが、実はチオール前駆体となる特定の香り化合物を生み出すことが確認されており、酵母の作用によって隠されたチオールが放出される土台を作ります。多くのブルワーがチオール生成のために酵母やホップの選定に注力する中で、私たちはそれだけでなく、作用し合う全ての原料に目を向けました。
ホップでは、マッシュの段階でSaazを使用し、チオール寄与を狙いました。直近の収穫年のチヌークは非常に優れた出来で、濃密なトロピカルキャラクターを持っていたため、ボイル後半に加えて奥行きとほどよい苦味を付与しました。発酵性・非発酵性の糖をボイル時に加えることで度数を高めつつ、ドライになりすぎずしっかりとしたボディを残すよう意識しました。
また、発酵前のワールプールでは、オレンジキャンディーのような風味をもたらすSouthen Crossと、マンゴーやパッションフルーツのアロマを強めるEggers Special Riwakaを使用。
バイオトランスフォーメーション用ホップには、トロピカルなチオール寄与が期待できるニュージーランド産CascadeとChinookを選びました。さらにドライホップでは、芳醇なトロピカルフルーツの宝庫とも言えるCashmere(昨年の収穫ロットが特に素晴らしい出来)と、再びリワカを使用。
全体として、ホップの存在感と度数とボディを支えながらも、やわらかなモルト感とトロピカルフルーツの風味を損なわないよう設計しました。この4部作の最終章であるこのソカリオンは、まさにこれまでのチオールシリーズの集大成であり、ホップをこよなく愛する人たちにこそ飲んでほしい一杯です。