「自分たちが飲みたいビールを作れば良い」ー とある友人のこの一言が忘れられない。

美味しいビールは日本中にたくさんあるけれども、もっといろいろな味のビールも試したいという私たちのような気持ちの人は他にもたくさんいるに違いない。そのような思いから京都醸造を立ち上げた。

 

私たちのビール造りのベースとなったのは、アメリカとベルギーのビールだ

アメリカはここ30年、クラフトビールの世界を切り拓いてきたクラフトビール界のパイオニアである。毎年のように新種のホップがリリースされている。無数の醸造家により材料や醸造法を混合させたハイブリッドビールやABV(アルコール度)及びIBU(国際的に使われる苦味を図る指標)が極端に調整された新しいスタイルのビールが生み出されている。私たちも既存の枠に捕らわれない新しいスタイルのビール造りに挑んでいる。

 

ベルギーは、歴史や伝統を重視したビール造りを続けてきた。一方で、歴史や伝統だけにとらわれず、アメリカと同様に独自のスタイルにこだわる醸造家がいる。自然酵母の使い分け、甘味、辛味、苦味、酸味、軽さや重さの調整により新しいビールが造り出されている。べルギービールの製造の工程は多様で複雑なものである。  

 

どちらの国のビールも共に興味深く、味わい深い。しかし、双方のビールの良さのみを抽出して掛け合わせることで、よりユニークで特別なものができるのではないかと考えた。

 

醸造所の酵母はベルギー産、ホップは主にアメリカ産を使用している。この組み合わせから、今までになかった独特の味わいのビールができる。しかし、これは私たちのスタート地点に過ぎない。今後この醸造所でどのようなビールが造られ、発展していくか私たちにとっても未知数である。

 

 

 

「自分たちが飲みたいビールを作れば良い」