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豪傑 超タープス編 (Goketsu - Mega Terps)
鮮やかな柑橘に樹脂のようなねっとりとした香りがクセになるパンチの効いたIPA
豪傑3部作の最後に紹介するのは、Mega Terpsを使ったDDH IPAです。「Terps(タープス)」はホップの品種ではなく、テルペンを指します。テルペンは植物由来のアロマ化合物で、植物が放つ香りの元となるものです。このテルペンが生む”ダンク”なキャラクターは、なかなかパンチの効いたユニークなフレーバーで、樹液の香りに、熟した甘いフルーツやハチミツのようなニュアンスが混ざり合ったものと表現されたりします。
このダンクのキャラクターは、主にウェストコーストIPAで使用されるホップブレンドによって生み出されます。今回のビールでは、この特徴をビビッドに強調するために、NZホップの香り成分チオールを強化したホップブレンド、Mega Terpsに、さらにテルペン含有量の多いとされているアマリロ・シムコー・シトラを合わせました。これにより、グレープフルーツのような鮮やかな柑橘系に樹脂や松脂のようなねっとりとした香り、そして爽やかなレモングラスのようなフレーバーとアロマがビールに与えられるようになりました。
さらにややしっかりめの苦味を持たせ、小麦モルトとウィーンモルトを少量加えることでほのかな色味とボディ感を与えましたが、キレのある飲みやすい飲み口に設計にしました。スタイルとしては、ウェストコーストIPAに近い作り方ですが、バイオトランスフォーメーションという酵母とホップを相互反応させる特殊な技法を用い、香り成分であるチオール化合物が最大限に引き出されるだけでなく、少しヘイジーな見た目に持って行きました。
IPAの中でも少しパンチの効いた、強い樹脂感とダンクなキャラクターを持つものが個人的に好きなのですが、国内ではそのようなビールをあまり見かけることがありませんでした。そこで造ったこの豪傑はとても気に入っていて、皆さんにもクセになるダンクなIPAを楽しんでもらえたら嬉しいです。