Kyoto Brewing Co.

夜雀 (Yosuzume)

一店舗に樽を1本まで

コラボは新しいことに学ぶ貴重な機会であり、多くの場合互いのアイデアを交換し合うことでそれぞれがこれまでつくったことのないビールづくりに挑戦するという意味合いをもちます。長野県野沢温泉にある Anglo Japanese Brewing (AJB)との今回のコラボもまたこうしたコラボのコンセプトに合致するものであり、どういったビールを仕込むかという話し合いを重ねる中で、ベルジャンバーレーワインというスタイルこそが私たちがコラボの中に組み込みたい全ての要素を含んだものだという思いに至りました。つまり、バーレーワインがもつ強いモルトの味わいと濃厚さをドライでありながらも複雑な味わいの仕上がりを生み出すベルジャン酵母と合わせることで、飲み飽きさせうるような要素を省きその美味しさのみを抽出したようなビールをつくるということ。これにより今回のコラボは高アルコール度数のビールにバランス感と飲み易さを与えるというテーマのチャレンジに定まったのです。

アルコール度数に関わらずバランスの良いビールに仕上げるトムの才能をかり、今回のレシピにおいては普段私たちが使うことが多いPilsnerモルトより独特な特徴をもつモルトに目を向けました。Golden Promiseモルトが甘い蜂蜜のような味わいを与える一方で、ViennaとMunichモルトを同じ割合使用したことによってこれらのモルトの独特の甘みと味わいに一層の深みをもたらしました。また、フレーク小麦を使ったことによって発酵後の糖度を比較的低く抑えた一方でボディー感やしっかりとしたマウスフィールを残しています。さらに、伝統的なTettnangerホップがもつ穏やかでスパイシーな特徴が酵母による発酵由来の味わいとうまく混ざり合い、絶妙にバランスの取れたビールにまとまりました。予め注意喚起しておきます、絶妙なバランスにより9.0%という度数を感じさせない今回のビール、その危険なほどの飲み易さゆえに飲みすぎ注意です!

名前の由来:この国にある古い森は太古より棲む精霊や八百万の神の存在によって今日まで守られてきたと信じられています。今では夜の森を歩くことは稀ですが、乗り物の発達していなかった時代には足で真っ暗な夜道を移動することはよくあることでした。そんな人たちの間で山道に差し掛かった時にふっと現れ、道先の危険を報せる妖怪、 夜雀の存在はよく知られていました。

今回のビールを飲んだ時もあなたの前にその夜雀が報せに来るかもしれません。

リッチでバランスの良いモルトの味わいが9%のアルコールを感じさせず、気がつけば酔いの心地よさと共に足がもつれ、あわや草むらに倒れこむ。目の前に夜雀がちらほら飛び始めたら、お気をつけて。ふらついた所を妖怪 送り犬が後ろから狙っているかもしれませんよ。

スタイル: ベルジャン・バーレーワイン

モルト:
Pilsner, Golden Promise, Vienna, Munich, Flaked Wheat

ホップ:
ビタリング - Merkur
味・アロマ - Tettnang


酵母: Belgian Ale

ABV: 9.0%

IBU: 33

ガスボリューム (炭酸ガス含有量): 2.2