Kyoto Brewing Co.

暗緑物質 (Dark Green Matter)

今回のビール造りでは、これまでにやったことのない領域に挑戦してみることにしました。すなわち、今回は、ホップの品種やその使い方を工夫するだけでなく、モルトの存在感とのバランスをとり、うまく融合させようと思ったのです。

ホップに関しては、私たちの最近のお気に入りであるEkuanotに焦点を当ててみることにしました。ペレットホップとCryoホップという2種類のホップを使用したことにより、ペレットホップやホールホップを使ったときに感じられるような草っぽさが抑えられ、ストーンフルーツ(桃やアプリコットなど)のような味わいと香りを一層高めることができました。結局、気がつけばビール1リットルあたり10グラム以上の量のホップ、すなわち、「和」で使った量の約1.5倍、普段のIPAの約2倍の量のホップを使ってしまっていました。ベースとなるモルトには、私たちが普段ベースモルトとしてよく使っているピルスナーモルトやIPAによく使われる北米産のモルトと比べて、モルト感が強く深みのある味わいをもつヨーロッパのペールエールモルトを使用しました。このモルトの複雑な味わいが幾重にも折り重なってホップの香りや味わいと結びつき、バランスの取れた仕上がりにまとまっています。このユニークなダブルIPA、ぜひとも皆さんに楽しんでいただきたいのですが、、、何しろアルコール度数が8.5%もあるので、くれぐれも飲みすぎには気をつけてくださいね!

名前の由来:なにかを引き寄せる未知の力が宇宙にあると科学者たちは考えています。観測事実からいくつかのその性質が推測できるものの、その正体はいまだ分かっていません。暗黒物質(ダークマター)? それはわたしたちの宇宙ではありません。
ビールの宇宙を引き寄せているのは緑色したホップの謎にみちた力です。暗緑物質(ダークグリーンマター)の不思議を観測しましょう!

スタイル:
ダブルIPA
モルト:
Pale Ale, Munich, Crystal T50
ホップ:
ビタリング - Columbus
味・アロマ - Mosaic, Simcoe, Ekuanot, Ekuanot (Cryo)
酵母:
American Ale
ABV:
8.5%
IBU:
42
ガスボリューム (炭酸ガス含有量):
2.4