Kyoto Brewing Co. - Wholesale
二都物語 (Dream of Two Cities - Kyoto edition)
気持ちをじんわりと満たす食後のデザートのような、コーヒーを使ったミルクスタウト
そして、私たちがこのビールに「二都物語」という名前をつけたのには、もうひとつストーリーが隠されています。それについては、ここでは語りませんので、奈良醸造のやすさんに直接会う機会があれば、ぜひ聞いてみてください。
今回のコラボでは、私たちのダークビールへの愛を取り上げ、テーマにしました。やすさん始め、奈良醸造のクルーたちが来られて仕込みを行う日、醸造所内は焙煎されたモルトやチョコレートモルトの香ばしいアロマが場所全体を包み込み、ビスケットやチョコレートの優しい甘みを帯びた温かい香りが漂うのがとても印象的でした。今回一緒に造ったミルクスタウトでは、奈良醸造のスタイルを取り入れて、仕込みを進めました。このスタイルは、フルボディで味わい深いのが特徴で、その大部分は使用されるモルトによって決まります。今回のレシピは、私たちがこれまでに手掛けたダークビールの中でも最も複雑な構成を持ったもののひとつと言えるでしょう。
ベースモルトにはマリスオッターを使用し、オーツ麦フレークとオーツ麦芽、さらに小麦を組み合わせることで、クリーミーでフルボディな仕上がりを目指しました。黒小麦、チョコレートモルトなどをブレンドし、柔らかでリッチなチョコレート様の風味を演出し、シナマー(麦芽糖液)を加えることで、ビールの色合いを深めながら苦味を抑えました。奈良醸造もスタウトを造る時にこれに似たモルト設計を行うことが多いため、私たちのそれぞれのスタイルが融合したような印象を持ちました。
そして、コールドサイドでは少し冒険的なアプローチを取り、デザートビール的な要素も取り入れたいと考えました。柔らかなチョコレートフレーバーを引き立てるためにコーヒー豆を使用し、モカのような味わい深い特徴を与えました。さらに、バニラを少し加えることでビールを柔らかでクリーミーな質感を与え、そして最後に、少量のココナッツを隠し味として加え、ビールの甘みに奥行きを持たせました。そして出来上がったビールは、まさに食後のデザートを口にしたときのようにうんと気持ちを満たしてくれるようなリッチなミルクスタウトになりました。